「あ・うん」スタイル

「時を纏い、未来へつなぐ──着物リメイク『あ・うん』25年の軌跡」

25年前、まだ「着物リメイク」という言葉が
今ほど知られていなかった頃。
一枚の古布の中に、時を越えて息づく美を見つめながら、
私たちは歩み始めました。

“この美しい着物の美を、現代に蘇らせたい”

――それはやがて、こうした想いへと形を変えていきました。

“誰かの記憶を、もう一度、今に生かしたい！”
“そして、受け継がれた布を、日常に纏えるスタイルへ昇華させたい。”

その一心だけが、当時の唯一の指針でした。

あの頃は、まだネットショップという言葉すら耳慣れず、
周囲のプロのコピーライターやIT関係の人たちからは、
「そんなの誰が買うの？」「やめておけ、売れるわけがない」と
たびたび言われたものです。

けれども、私たちは“売れるかどうか”ではなく、
“この素晴らしい日本の布の美を、どう伝えるか”を信念に、
ただひたすら作品づくりに没頭しました。

そして2000年10月7日、
ブランド「あ・うん」は公式ホームページとともに
静かに、しかし確かな息吹をもって世の中に誕生しました。

職人の手で命を吹き返す生地たち。
一点ずつ丁寧に、針を進め、時間を重ねながら、
「あ・うん」は、素材の声に耳を澄ませるブランドへと育ちました。

そして今、25周年を迎え、
これまで支えてくださったお客様、
共に作品を形にしてくださった職人・スタッフの皆様に、
心よりの感謝を申し上げます。

時代が変わっても、私たちの挑戦は終わりません。
“伝統をモードに、過去を未来へ”
次の25年へと歩み出す「あ・うん」は、
新たな命を吹き込む手仕事の可能性を、
さらに深く追求していきます。

いつまでも色褪せない一枚を、あなたと共に。
これまでも、そしてこれからも。

――着物リメイク「あ・うん」
代表・デザイナー　河村志尾美

# by shiomik1 | 2025-10-08 19:40 | 日々のDiary